2021年6月2日の「高齢者住宅新聞」の記事より一部抜粋。
■新型コロナウイルス感染症による死亡に関して明らかになったこと。
ハイリスク・グループ
感染すると非常に高い確率で死亡するグループが存在する。寝たきりなど重度の要介護状態の高齢者、人工透析を受けている患者、重度の糖尿病患者などのハイリスクの人たちは、免疫力が低下し、血管が傷つきやすい状態にあるという共通した弱点を抱えている。こうした人が集まるユニットや病棟に新型コロナ入り込んでしまうと、多くの利用者や患者が亡くなる可能性が極めて高い。
ローリスク・グループ
この人たちにとって新型コロナは軽微なレベルの感染症と言ってもよいウイルス。
昨年の状況から死亡率はかなり低い。
0~29歳 1688万人に1人死亡(交通事故死の1000分の1の確率)
30~59歳 35万人に1人死亡(交通事故死の60分の1の確率)
60歳代 5.3万人に1人死亡
70歳代 2万人に1人死亡
ハイリスクに該当しない80歳代 2万人に1人に満たない死亡(がんによる死亡の60分の1)
こうしたファクト(事実)をきちんと知ったうえで、ハイリスクをどう守り、ローリスクの人たちの日常をどう取り戻すのかを考えなければならない。
■新型コロナ感染7段階モデル
98%は未感染か軽症
ステージ0 新型コロナと未接触
ステージ1 ウイルスに曝露(ばくろ=細菌・ウイルスや薬品などにさらすこと。また、さらされること。)したが細胞内に入っていない=未感染。
ステージ2 体に入った新型コロナが受容体と手を結ぶことに成功して細胞内に侵入し、増殖を開始した状態。(PCR検査で陽性)そこで人体は自然免疫機能で対抗して約98%の人の免疫機能が勝利して感染エピソードは終了。この段階では無症状化風邪程度。
ステージ3 自然免疫だけでは対応しきれなくなり、獲得免疫の機能、抗体を生成して対抗する。発熱などの症状がでるが、肺炎などが起こしていない状態。
ステージ4 新型コロナの病勢が拡大、肺炎や胃腸炎などの症状。中等症に留まるが、稀に後遺症がでる可能性がある。
ステージ5 サイトカインストームという現象を起こして重症化。抗体のサイトカインという命令系統が暴走して、健康な細胞にまで損傷を与える。血管の細胞の損傷を過剰に修復しようとする過程で血栓ができ全身に広がって人体に損傷をあたえる。高齢者と、喫煙者や重度の糖尿病、過度の肥満、抗がん剤使用などにより欠陥が脆弱な人たちがこの段階に至る。後遺症が残ることもある。
ステージ6 死に至る。ステージ5,6は感染症というより自己免疫の暴走によって誘発される凝固異常が起こっている状態。